Basilosaurus Isis (Photo)
| Name: | Rarity: | Type: | Obtained From: | Illustrator: | Limited: | Name (JP): | ID: | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Basilosaurus Isis | Friend Story | ナブランジャ | No | バシロサウルス・イシス | 6511 | |||
| Stat | Base | Max | ||||||
| Stamina | 235 | 170 | Unique Trait | 地形がみずべの場合、自身の与ダメージが5%増加する 地形がみずべの場合、自身の与ダメージが8%増加する | ||||
| Attack | 124 | 705 | ||||||
| Defense | 510 | 372 | ||||||
| Story | <動物コメント> ◎進化生態学者 松本忠夫 この動物は現在の地球にはいません。約4000万年前にいたクジラ類の祖先の一つです。ですから、骨の化石を調べることからしか、その姿は想像できません。 では、この動物の名前の意味を考えてみましょう。バシロとは古代ギリシャ語で王様であり、サウルスとは爬虫類のトカゲの意味です。この動物はクジラ類ですから、哺乳類なのですが、どうして、その名前が「オオサマトカゲ」なのでしょうか。その理由は、米国のルイジアナ州で発見されたこの化石動物に対して、1834年にある学者が学名をつけた時に、それを爬虫類の仲間と誤って判断したからです。200年近くもこの学名が続いているのは、生物の学名は国際的な命名規約に基づいていて、一度それが付くと容易には変えられない例の一つです。 では、化石の姿はどのようなものでしょうか。米国以外に、英国、エジプト、パキスタンなどから発掘されていて、特にエジプトでは、全身の骨格が完全にそろった個体が見つかっています。それらを調べたところ、体の全長が約20メートルもあります。それは現生のマッコウクジラぐらいですから、かなり大型といえます。しかし、骨格の並びを見ますと、ヘビ類ほどではありませんが、クジラ類の中では、かなり細身であったようです。頭部の上下の顎に付いている歯列を見ますと、哺乳類の特徴がよく分かります。恐竜やワニ類のような肉食の爬虫類では、前から奥までずっと鋭い円錐形の歯が並んでいるのですが、この動物では、歯の上部が幾つか山型に出っ張っていて、また、前歯から奥歯に向かうに従って、歯の形態が異なっています。このような歯列の状況から肉食であったと考えられ、事実、化石骨格の腹部あたりから、魚類や海生哺乳類の骨が見つかっています。なお、哺乳類であるヒトでも、前歯、八重歯、奥歯でずいぶん形が違っていますよね。これは、ヒトが雑食性であることの証です。 化石の形態や、出土した周りの地質状況から、その化石動物がどのような行動、生態だったのかが想像できます。バシロサウルスは、どうやら体を縦方向にくねらせて泳いだようです。ただし、胴体には前肢と後肢が出ていて、それらは体に比べて小さく、泳ぎを大きく助けるような形態ではないので、水泳スピードが速くはなかったと考えられています。きっと、浅い海に棲んでいたのでしょう。胴体から太く長い尾部に続いていて、その末端には三日月型の尾びれがあったようです。現生のイルカ類と同様にそれを上下に動かして、水泳運動の調節に使ったと思われます。これと比べると、魚類のほとんどが、尾びれを左右に動かします。同じ水中動物でも、祖先がどのようであったかで、運動においてその系統の特徴を引き継いでいるのです。 ところで、このような全身を上下方向にゆすって泳ぐ方法は、人間でも行いますね。そうです、バタフライ泳法では、両腕で水をかきますが、両脚で水を上下にかいて、体を大きく揺すって泳ぎますし、今ではあまりしませんが、背泳ぎのバサロ泳法では水中で仰向けのまま、両手を伸ばして両足のドルフィンキック(イルカの尾びれの動きのこと)で水中を進みます。 以上のように、生物の化石というものは、その生物が生きていた時代の状況を垣間見せてくれる、まるでタイムマシーンのようなものと言えます。 (2025年2月公開)<イラストタイトル> 女神の名を冠するトカゲの王様 ――バシロサウルス・イシス <動物コメント> ◎進化生態学者 松本忠夫 この動物は現在の地球にはいません。約4000万年前にいたクジラ類の祖先の一つです。ですから、骨の化石を調べることからしか、その姿は想像できません。 では、この動物の名前の意味を考えてみましょう。バシロとは古代ギリシャ語で王様であり、サウルスとは爬虫類のトカゲの意味です。この動物はクジラ類ですから、哺乳類なのですが、どうして、その名前が「オオサマトカゲ」なのでしょうか。その理由は、米国のルイジアナ州で発見されたこの化石動物に対して、1834年にある学者が学名をつけた時に、それを爬虫類の仲間と誤って判断したからです。200年近くもこの学名が続いているのは、生物の学名は国際的な命名規約に基づいていて、一度それが付くと容易には変えられない例の一つです。 では、化石の姿はどのようなものでしょうか。米国以外に、英国、エジプト、パキスタンなどから発掘されていて、特にエジプトでは、全身の骨格が完全にそろった個体が見つかっています。それらを調べたところ、体の全長が約20メートルもあります。それは現生のマッコウクジラぐらいですから、かなり大型といえます。しかし、骨格の並びを見ますと、ヘビ類ほどではありませんが、クジラ類の中では、かなり細身であったようです。頭部の上下の顎に付いている歯列を見ますと、哺乳類の特徴がよく分かります。恐竜やワニ類のような肉食の爬虫類では、前から奥までずっと鋭い円錐形の歯が並んでいるのですが、この動物では、歯の上部が幾つか山型に出っ張っていて、また、前歯から奥歯に向かうに従って、歯の形態が異なっています。このような歯列の状況から肉食であったと考えられ、事実、化石骨格の腹部あたりから、魚類や海生哺乳類の骨が見つかっています。なお、哺乳類であるヒトでも、前歯、八重歯、奥歯でずいぶん形が違っていますよね。これは、ヒトが雑食性であることの証です。 化石の形態や、出土した周りの地質状況から、その化石動物がどのような行動、生態だったのかが想像できます。バシロサウルスは、どうやら体を縦方向にくねらせて泳いだようです。ただし、胴体には前肢と後肢が出ていて、それらは体に比べて小さく、泳ぎを大きく助けるような形態ではないので、水泳スピードが速くはなかったと考えられています。きっと、浅い海に棲んでいたのでしょう。胴体から太く長い尾部に続いていて、その末端には三日月型の尾びれがあったようです。現生のイルカ類と同様にそれを上下に動かして、水泳運動の調節に使ったと思われます。これと比べると、魚類のほとんどが、尾びれを左右に動かします。同じ水中動物でも、祖先がどのようであったかで、運動においてその系統の特徴を引き継いでいるのです。 ところで、このような全身を上下方向にゆすって泳ぐ方法は、人間でも行いますね。そうです、バタフライ泳法では、両腕で水をかきますが、両脚で水を上下にかいて、体を大きく揺すって泳ぎますし、今ではあまりしませんが、背泳ぎのバサロ泳法では水中で仰向けのまま、両手を伸ばして両足のドルフィンキック(イルカの尾びれの動きのこと)で水中を進みます。 以上のように、生物の化石というものは、その生物が生きていた時代の状況を垣間見せてくれる、まるでタイムマシーンのようなものと言えます。 (2025年2月公開) | |||||||
| Update History: | 20 February 2025: Added to Kemono Friends 3. | |||||||