Difference between revisions of "Polar Bear (Photo)"
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Latest revision as of 23:55, 4 October 2022
Name: | Rarity: | Type: | Obtained From: | Illustrator: | Limited: | Name (JP): | ID: | |
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Polar Bear | Conditional | Friend Story | ナブランジャ | No | ホッキョクグマ | 6162 | ||
Stat | Base | Max | ||||||
Stamina | 149 | 447 | Unique Trait | In Snowy Terrain, gain 3 MP per turn for self. In Snowy Terrain, gain 5 MP per turn for self. | ||||
Attack | 218 | 653 | ||||||
Defense | 97 | 291 | ||||||
Story | <動物コメント> ◎外来生物学者 坂本 洋典 ホッキョクグマは、最大のクマで、その名の通り北極圏で暮らすクマです。一般に、哺乳類のような、体温が一定の温度に保持される恒温動物は、同じ仲間でも寒冷な所で暮らす種類ほど大きくなります。これを、ベルクマンの法則と呼びますが、ホッキョクグマはまさにその好例です。一方で、昆虫などの変温動物では、熱帯で暮らす種ほど大きくなり、逆ベルクマンの法則と呼ばれたりもします。だから、熱帯のマレーシアのジャングルでは、クマの中で最小のマレーグマと、巨大なカブトムシであるアトラスオオカブトが共に暮らすのです。さて、ホッキョクグマは同時に、流氷の上に乗っているアザラシなどに水中から襲い掛かる、世界最大の肉食動物としても知られます。そんなホッキョクグマは流氷と共に、遠方まで流されることもあります。19世紀にシーボルトが残した「日本動物誌」には、新潟の海岸におけるホッキョクグマの記録があり、北海道にも流氷に乗ってきたホッキョクグマの古い記録があります。可能性的には、ヒグマの白色種である確率の方が考えやすいですが、もし本当にホッキョクグマが流れ着いたなら、人々はさぞ驚いたことでしょう。 さて、ホッキョクグマをシロクマと言う呼び方もありますが、ホッキョクグマの毛はじつは白ではなく、透明なのです。毛の中が中空なので、光を散乱させて白く見えるのです。そして、毛の下のホッキョクグマの地肌は黒い色をしています。この地肌と、毛の組み合わせは、寒い北極で暮らすための優れた機能をもっています。太陽の光は、透明な毛を通し、黒い地肌をまず温めます。そして体温を通して中空な毛の中の空気が温まり、熱が保持されます。飼育下にあるホッキョクグマだと、毛の中空部分に藻類が入り込んで緑色になってしまう「ミドリグマ」という現象が時折起こることが知られています。なお、似た現象がチョウにもあります。アゲハチョウの仲間で半透明の翅をもつ、ウスバシロチョウという蝶が春先になると飛び出します。このチョウも、飛んでいると名前の通り白く見えるのですが、一部の地域で幻の「赤いウスバシロチョウ」という赤い翅をもつ個体がいると聞き、一度は姿を見てみたいと思ったことがあります。しかし、赤いウスバシロチョウの標本を実見した人に話を伺うと、標本の保管が悪く、赤カビが翅に菌糸を張ってしまったことにより、翅が綺麗に赤く染まったものであるようでした。がっかりしましたが、ミドリグマのように、生きている時からカビの感染がもしあれば、赤いウスバシロチョウが空飛ぶこともあるのかも知れません。 (2022年4月公開) <イラストタイトル> 氷雪に溶け込むホッキョクグマの母子 <動物コメント> ◎外来生物学者 坂本 洋典 ホッキョクグマは、最大のクマで、その名の通り北極圏で暮らすクマです。一般に、哺乳類のような、体温が一定の温度に保持される恒温動物は、同じ仲間でも寒冷な所で暮らす種類ほど大きくなります。これを、ベルクマンの法則と呼びますが、ホッキョクグマはまさにその好例です。一方で、昆虫などの変温動物では、熱帯で暮らす種ほど大きくなり、逆ベルクマンの法則と呼ばれたりもします。だから、熱帯のマレーシアのジャングルでは、クマの中で最小のマレーグマと、巨大なカブトムシであるアトラスオオカブトが共に暮らすのです。さて、ホッキョクグマは同時に、流氷の上に乗っているアザラシなどに水中から襲い掛かる、世界最大の肉食動物としても知られます。そんなホッキョクグマは流氷と共に、遠方まで流されることもあります。19世紀にシーボルトが残した「日本動物誌」には、新潟の海岸におけるホッキョクグマの記録があり、北海道にも流氷に乗ってきたホッキョクグマの古い記録があります。可能性的には、ヒグマの白色種である確率の方が考えやすいですが、もし本当にホッキョクグマが流れ着いたなら、人々はさぞ驚いたことでしょう。 さて、ホッキョクグマをシロクマと言う呼び方もありますが、ホッキョクグマの毛はじつは白ではなく、透明なのです。毛の中が中空なので、光を散乱させて白く見えるのです。そして、毛の下のホッキョクグマの地肌は黒い色をしています。この地肌と、毛の組み合わせは、寒い北極で暮らすための優れた機能をもっています。太陽の光は、透明な毛を通し、黒い地肌をまず温めます。そして体温を通して中空な毛の中の空気が温まり、熱が保持されます。飼育下にあるホッキョクグマだと、毛の中空部分に藻類が入り込んで緑色になってしまう「ミドリグマ」という現象が時折起こることが知られています。なお、似た現象がチョウにもあります。アゲハチョウの仲間で半透明の翅をもつ、ウスバシロチョウという蝶が春先になると飛び出します。このチョウも、飛んでいると名前の通り白く見えるのですが、一部の地域で幻の「赤いウスバシロチョウ」という赤い翅をもつ個体がいると聞き、一度は姿を見てみたいと思ったことがあります。しかし、赤いウスバシロチョウの標本を実見した人に話を伺うと、標本の保管が悪く、赤カビが翅に菌糸を張ってしまったことにより、翅が綺麗に赤く染まったものであるようでした。がっかりしましたが、ミドリグマのように、生きている時からカビの感染がもしあれば、赤いウスバシロチョウが空飛ぶこともあるのかも知れません。 (2022年4月公開) | |||||||
Update History: | 07 April 2022: Added to Kemono Friends 3. |